農林中金が外債10兆円を売却 赤字は1.5兆円に拡大

デスク「農林中金の赤字がさらに拡大するようだね」

記者「2024年度中にも、含み損を抱える米国債など外債を10兆円売却して損失を確定する狙いがあります。これによって25年3月期の赤字は当初予定していた5000億円から1兆5000億円に拡大する見通しです。当初は複数年度にわたって損切りを行う方針だったようですが、農協の経営を支える農林中金の運用益還元が複数年にわたって滞ることになるため、単年度で損失を出し、翌年度のV字回復を狙う考えのようです」

デスク「米国債の金利リスクを甘く見た運用が赤字の主因だが、運用方針は変わる?」

記者「今後は株式や社債、プライベート・エクイティなど投資対象の多様化を図る方針ですが利益を出せるかは未知数です。低格付け企業向け融資(レバレッジドローン)を束ねたローン担保証券(CLO)の損失リスクも抱える中、打ち手が問われます」