SK hynixは6月28日、AI PCに向けてPCIe 5.0×8に対応するSSD「PCB01」を開発したと発表した。
AI PCに代表されるエッジAIでは、クラウドの先にあるサーバにデータを送ってAI処理を行うのではなく、オンデバイス、つまり手元の機器自体でAI処理を行うことで、プライバシーの保護やAI処理の高速化、ユーザーごとにカスタマイズされたAIサービスの提供などが実現されることが期待されている。
同製品は、そうしたAI PCで求められる高速処理に対応することを目的に開発されたSSDで、シーケンシャルリード/ライトの速度は14GB/sおよび12GB/sを実現するとしており、この性能により、AIの学習と推論のための大規模言語モデル(LLM)を1秒で実行できると同社では説明している。
また、前世代比で電力効率を30%以上向上させており、それにより大規模なAIコンピューティングタスクの安定性が向上したともしている。
さらに、データ処理の高速化のためにNANDセルの一部にSLCを配置するSLCキャッシュも採用したとのことで、これによりAI PCユーザーはAIサービスと従来のコンピューティングの両方で、これまで以上に高速なパフォーマンスを体験できるとする。
加えて、ユーザー個人のデータ保護を目的とした機能として、ユーザーのパスワードを保護しながら、外部からのサイバー攻撃や情報の偽造・改ざんを防ぐことを可能とするROT(Root of Trust)も搭載しているという。
なお、同社では同製品について512GB、1TB、2TBの3種類を用意。すでに世界中のPCメーカーによる検証プロセスが進められているとしており、2024年中に製品の量産および出荷を開始する予定だとしている。