熊本大学は6月28日、台湾の国立陽明交通大学と半導体ナノテクノロジー分野での教育および研究強化に関する補遺協定を締結したことを発表した。
国立陽明交通大学は台湾の国立重点大学の1つで、半導体産業のエンジニア人材を多く輩出するなど、台湾半導体産業の中心地に位置付けられている。そのため、産官学連携が盛んで、企業などから派遣された教授陣による指導や企業でのインターンシップ、国立研究所との最先端研究などといった先端半導体の研究に関する開発環境や教育が提供されている。
一方の熊本大学は、熊本県という立地がソニーセミコンダクタソリューションズやJapan Advanced Semiconductor Manufacturing(JASM)などを中心に、半導体関連企業が集積していることもあり、国内外の大学や企業と連携し、最先端研究と半導体業界を牽引する人材育成に取り組んできた経緯があり、両大学はすでに大学間交流協定を締結し、協力してきた経緯がある。
今回の補遺協定は、特に半導体ナノテクノロジー分野における互いの学術的強みを共有し、協力していくことを目的としたもので、共同教育プログラムの開発や、高度研究人材の育成に向けた取り組みの実施などの協力を強化することを意識したものとしているほか、陽明交通大学内に熊本大学ラボの設置の検討も進めていくとしている。
なお熊本大学では、今回の補遺協定の締結により、両大学の教育・研究協力がさらに促進され、半導体産業の振興に貢献することが期待されるとしている。