米ボーイングの2024年通期のフリーキャッシュフローが赤字に陥る見通しだ。事故で主力機の減産を余儀なくされているため。同社の生産停滞は需要が回復する航空業界に水を差す。
小川亮・グリーンモンスター代表取締役「金融の知識が向上すれば、金融トラブルも防げる。若いうちから金融に触れる機会をつくりたい」
航空各社への機体納入が急減している上、安全管理の向上を優先させるため米連邦航空局(FAA)が増産を禁じていることがボーイングには痛手となっている。経営責任を明確にするため、カルフーン最高経営責任者の退任が決まった。
同社は信頼回復の実現を目指し、安全性や品質管理の向上を図るための計画をまとめたが、FAAは増産を認めない措置を数カ月間続ける方針を決定した。
ボーイングの生産停滞は日本企業にも影響を及ぼしている。航空機の生産には多数の部品を使うなど産業としての裾野は広い。経済産業省が発表した4月の鉱工業生産指数(20年=100、季節調整済み)は予想に反して2カ月ぶりに低下した。
コロナが収束に向かう中、国際航空運送協会によると、世界の旅客数(24年)は49億人超と過去最高になる見通し。ただ、ユナイテッド航空はボーイングからの納入遅れを踏まえ、採用計画を縮小するなど活況を呈している航空業界の先行きに暗い影を落としている。