三井住友カードは7月2日、同社が運営するコンタクトセンターにおいて、生成AIスタートアップのELYZAが提供する生成AIの本番利用を開始すると発表した。大規模言語モデル(LLM)によるテキスト生成に、外部情報の検索を組み合わせることで回答精度を向上させる検索拡張生成(RAG)技術を活用する。
三井住友カードでは2023年度の新規申込みが500万件を超え、コンタクトセンターにおける顧客対応数は月間約50万件を超えている。対応品質と対応可能件数の向上につなげるために生成AIの導入を決めた。
ELYZAが提供する生成AIは、RAG技術などの高度な活用が可能でありながら、独自のLLM活用基盤に支えられた堅牢なモデルを採用している。セキュリティ基準の高いコンタクトセンターでもリスクを抑えながら活用できる点を三井住友カードは評価した。
導入した生成AIは、三井住友カードのコンタクトセンターに寄せられる問い合わせに対し、RAG技術を活用して社内データを検索し、回答の草案を自動で生成する。すでに2024年6月末よりコンタクトセンターのメール回答業務で利用を開始し、2024年内には生成AIをチャットでの問い合わせにも展開する予定だ。
最終的には、オペレーターの生産性向上効果として、お問い合わせ対応にかかる時間が最大で6割程度短縮される見込みだという。