JetBrainsは現地時間6月26日、IT技術者向けに生成AIを活用したライティングサポートツール「Grazie」のリリースを公式ブログで発表した。
Chromiumベースブラウザの拡張機能としても利用できる「Grazie」
「Grazie」は、生成AIにより校正、テキスト補完、要約、翻訳、言い換えなどの機能を提供するライティングサポートツール。JetBrainsのIntellij IDEAやPyCharmなどのIDEプラグインとして動作さするほか、Chromiumベースのブラウザの拡張機能版も提供。「Google ドキュメント」「Google スプレッドシート」「Gmail」他、多数のプラットフォームに対応しており広く利用できる。LLM(大規模言語モデル)には、JetBrains独自モデル他、OpenAIのGPT-familyやGoogleのGeminiを活用、今後追加で利用できるAIを増やすという。
即時に校正を行い代替案をすばやく提案する「即時校正」(英語、ドイツ語、ロシア語、ウクライナ語のみサポート)、AIチャットやインラインテキスト補完でのライティングサポート、同社独自の機能による迅速な翻訳処理(英語、ドイツ語、フランス語、スペイン語、ロシア語、韓国語、中国語、日本語に対応)、要約、言い換え・同義語化機能などを提供する。
特徴的な機能としてテキストの感情的な表現を微調整する「トーン補正」機能がある。「Professional」「Confident」「Friendly」「Technical」及び「Inclusive」から感情表現を選択できる。それ以外でも特定の要件に応じて文章の書き替えを行う「改善」機能は、オプションより「Simplify」「Refine structure」「Shorten」などを選択して状況に対応した書き替えを行える。
個人情報のセキュリティに関しては、入力したテキストデータは一切保存せず、機械学習にも使用しないよう設計されている。サービスは、JetBrains IDEのプラグイン及びSafari、Google Chrome 、Edge、ArcなどChromiumベースブラウザの拡張機能版として利用可能で、一部機能と容量制限のある無料版も利用できる。Chrome版はウェブストアよりダウンロードできる。
全機能が利用できる有料のAI Proのサブスクリプションサービスでは、利用容量が無料版の500倍で近日リリース予定の新機能も利用できるという。日本語での利用に関しては2024年6月の段階では、翻訳機能以外は未対応となっている。その他、対応するWebプラットフォームやAIサービスの対応地域など詳細情報は公式ブログで確認できる。