NTTドコモは6月27日、同社が提供するサービスの最適化を目指し、量子コンピュータに着目し、量子アニーリング技術を活用した量子コンピューティング基盤を開発したと発表した。
ドコモが量子コンピューティング基盤で実現すること
同は同基盤を活用し、基地局への負荷軽減および着信集中時の混雑緩和を実現する。具体的には、ユーザーの端末へ基地局から送信するページング信号の信号数を削減する。
同基盤の有用性を検証するため、東海、中国、九州エリアの基地局で実証実験を行ったところ、最大15%のページング信号の削減を確認したという。これは、着信集中時に現在の約1.2倍多い端末数を接続できることに相当する。
ページング信号削減の仕組み
現在、モバイル通信におけるページング信号のデータ量は増加傾向にあり、端末からの応答がない場合は、より広い範囲で再送を繰り返す必要があるという。
そのため、同基盤を用いて、端末がどの基地局で終話・着信したかを記録した大量のログデータから成る統計データをもとに、まとめてページング信号を送る基地局のグループの最適化を行う。