MM総研(MMRI)は6月27日、2023年度(2023年4月~2024年3月)の国内PCサーバ出荷概況を発表した。これによると、出荷金額は前年度比7.5%増の2838億円と2年連続で増加したが、出荷台数は同3.9%減の34万2391台で、5年連続で減少した。2024年度の出荷金額は、同6.5%増の3023億円になるという。
2023年の同市場は、仮想化に加え、AI(人工知能)学習、開発用途やデータ活用基盤などで高性能なサーバの需要が拡大しているとのこと。
2023年度の出荷金額は2年連続の増加となったが、オフィス内に直接設置するオンプレミス・サーバや通信事業者などが提供するプライベート・サーバの需要は減少傾向が続いているという。
また、パブリック・クラウドへの乗り換えが続いているものの、AI学習やデータ活用基盤などクラウドに預けにくいデータ資産の活用基盤としてオンプレミス・サーバの高性能化需要が高まっているとのこと。
円安を背景にサーバの価格も上昇傾向にあるが、クラウド・サービスの利用価格も上昇しているため、クラウドへの流出が減少し、出荷数の減少幅はゆるやかになりつつあるという。
ユーザー企業でもクラウドの運用価格やシステムごとのメリットに関する経験値が上がっており、今後はシステムに応じてサーバとクラウドの使い分けが進むと同社は見る。
2024年度は、オフィス内にあるオンプレミス・サーバの買い替え需要などにより台数の減少幅が縮小し、金額は拡大基調が続く見込みとしている。
研究開発やソフトウェア事業者の生成AIの開発やサービス運用サーバの出荷増加が見込まれる上、AIを利用するユーザー企業が増加していることで、一般の大手企業でAI用途サーバの需要拡大が見込まれるという。
大手SIerや通信事業者も、自社内に加えて顧客向けの専用生成AI基盤を増やす見通しとのこと。
出荷単価は2013年度の44万5000円から2024年度は89万1000円と予測しており、10年でほぼ倍増すると、同社は見ている。