米Teradata(以下、テラデータ)は6月25日(現地時間)、Teradata VantageCloud LakeをGoogle Cloudで提供開始したことを発表した。「Teradata VantageCloud Lake on Google Cloud」は、TeradataとGoogle Cloud双方の強みを生かして、企業が必要とする専門性、拡張機能、最新テクノロジーを備えた信頼できるAIを全社レベルで展開できる機能を提供するという。
Teradata VantageCloud Lakeは、AI向けの機能を搭載するクラウドネイティブなデータ分析基盤。同サービスが搭載する分析機能ClearScape Analyticsは、AIを含む高度な分析サポートをクラウドで提供するよう設計されている。今回、GoogleのAIテクノロジーVertex AI、Geminiモデルとシームレスに統合されたことで、予測AIや生成AIなどさまざまなタイプのAIプロジェクトの推進をサポートするとのことだ。
ClearScape AnalyticsとVertex AIとの統合
AI / ML(Machine Learning)パイプラインをエンド・ツー・エンドで展開するための分析機能であるClearScape Analyticsと、そのオープンAPI、Google Cloudのフルマネージド統合AI開発プラットフォームであるVertex AIを統合。
これにより、どのデータサイエンスツールを利用するかにかかわらず、VantageCloud Lakeのデータにアクセスし、複雑なアナリティクスやAI / MLプロジェクトを実行できるようになった。高度なモデルを信頼性を確保しつつより迅速に本番環境に導入し、早期にビジネス価値を獲得することで、AI / MLへの投資効果を最大化できる。
ClearScape AnalyticsとGeminiモデルの統合による生成AIのビジネス活用の実現
Google Cloud独自のマルチモーダルLLM(Large Language Models:大規模言語モデル)「Gemini」モデルを組み込んだAPIとClearScape AnalyticsのオープンAPIを統合。これにより、テキスト、音声、画像、動画、コードなど、さまざまなデータを活用できるようになる。
分析結果として生成されたベクトルはVantageCloud Lakeに保存され、LLMがVantageCloud Lakeの本番データと結合するための高性能なベクトルストアを提供する。この統合により、ユーザーは新しい生成AIのユースケースを作成しビジネスアプリケーションに生成AIを組み込めるようになるとのことだ。
例として、Teradataが提供するCustomer Complaint Analyzer(顧客クレーム分析)はGeminiモデルを使用して、顧客からの苦情に関する包括的な分析結果を提供する。テキストだけを使う従来の手法だけでなく、音声などによる顧客クレームデータを自動的に分類、分析し、インサイトを提供可能となる。