ビックデータ処理ソフトを手掛ける米Clouderaは6月24日(現地時間)、AI(人工知能)を活用した3つのアシスタント機能「SQL AIアシスタント」「Cloudera Data Visualization内のAIチャットボット」「Cloudera Machine LearningのCloudera Copilot」を新たに発表した。
新たに3つのAIアシスタント機能を発表
SQL AIアシスタントは、複雑なSQL(データベースを操作するための言語)の記述で生じる課題の解決をAIが支援するもの。ユーザーは、必要な情報を簡単な言葉で説明するだけで、AIがプロンプトエンジニアリングや検索拡張生成(RAG)などの技術を用いて関連データを検索できる。AIははクエリを記述して最適化し、さらにそれを理解しやすい言葉で説明するという。これにより、企業は本当に重要なデータからのインサイトの取得に集中できるようになるとしている。
データを検索できる可視化されたダッシュボード「Cloudera Data Visualization」のAIチャットボットは、企業のデータと直接対話するように設計されており、 BIダッシュボードが通常表示できる以上のコンテキスト化されたビジネスインサイトを提示できる。 Clouderaのダッシュボードやレポートで直接利用でき、ダッシュボードの表示の背後にあるデータのコンテキストを活用して、実用的なインサイトが得られるようになるという。ユーザーは自然言語で質問するだけで、チャットボットが関連するデータを表示する。
3つ目のアシスタントAI「Cloudera Copilot」は、事前にトレーニングされたLLM(大規模言語モデル)を備えており、データラングリングからコーディングに至るまで、AIやML(機械学習)モデルを本番環境で展開する際に関連する課題を解決できるとしている。130を超える「Hugging Face」モデルとデータセットがシームレスに統合されており、ユーザーは、データサイエンスやモデル開発、ファインチューニングがスムーズに行えるようになるとのことだ。
「あらゆるユーザーによるAI活用を可能に」
同社は6月3日に、AI開発ソフトを手掛ける米VertaのオペレーショナルAIプラットフォームを買収すると発表した。ClouderaはVertaのチームを取り込むことで、AIとML分野での人材と技術をさらに強化していく考え。
Cloudera CPO(最高製品責任者)のディプト・チャクラバルティ氏は「AIを用いた新たなアシスタントを通じて、企業のAI関連プロジェクトの課題となっている大きなハードルを取り除き、あらゆるユーザーによるAIの活用を可能にしていく」とコメントしている。