IDC Japanは、国内顧客エクスペリエンス(CX)関連ソフトウェア、国内CRMアプリケーション、および国内CX変革サービス市場予測を発表した。国内CRMアプリケーション市場は2023年~2028年の年間平均成長率(CAGR)は9.6%、2028年には3950億8200万円になるという。

  • 国内CX関連ソフトウェア市場予測、2022年~2028年

    国内CX関連ソフトウェア市場予測、2022年~2028年

IDCはCX関連IT市場のうち、ソフトウェア/サービスに関わる市場に焦点をあてて、予測を行った。2023年のCX関連ソフトウェア市場は前年比9.5%増の7079億9800万円、CRMアプリケーション市場は前年比13.4%増の2497億8600万円の市場規模(売上額ベース)となった。

一部の機能市場セグメントにおけるクラウドシフトの短期的な売上へのマイナス影響で成長率は低下した一方で、CX業務のデジタル化とシステム刷新需要、データ管理/分析需要などにより、全体的には好調であったという。

また、CX変革サービス市場もCRMアプリケーション/顧客データプラットフォームの構築とデータ移行/統合などに関するプロジェクトサービスを中心に高い成長で推移し、前年比9.5%増、市場規模(売上額ベース)4890億円。

  • 国内CX変革サービス市場予測、2022年~2028年

    国内CX変革サービス市場予測、2022年~2028年

国内企業におけるCX施策の関心は、デジタル化からビジネスモデルの変革へと移行しており、これが市場の成長を後押ししており、生成AI機能の活用を伴うシステム刷新需要やその活用効果を最大化するためのデータ活用基盤の構築需要などで好調に推移することが見込まれるという。

その結果、2023年から2028年の年間平均成長率はCX関連ソフトウェア市場が8.0%で推移し、2028年には1兆386億9,500万円になるとIDCは予測。また、国内CRMアプリケーション市場は2023年~2028年のCAGR 9.6%、2028年には3950億8200万円になると予測。国内CX変革サービス市場は2023年~2028年の年間平均成長率7.5%で推移し、2028年には7029億円になるとIDCでは予測した。

IDC Japan Software & Services シニアリサーチアナリストの太田早紀氏は、次のようにコメントしている。「国内CX関連ソフトウェア/国内変革サービス市場が今後も成長していくために、ITサプライヤーは、ユースケースごとに最適化されたGenerative AI(生成AI)の組み込み機能の強化と導入サービスの拡充、生成AIの浸透に伴う高品質なCX標準化の先を見据えたCX戦略のアップデート、デジタルビジネスの浸透に伴う競合環境/顧客企業の変化への対応が重要である」