人手不足解消の手立てとなるか? GMOがAI・ロボット事業に参入

自社活用で月間10万時間、18億円のコスト削減を見込む

「国内外のAI(人工知能)関連企業やロボットメーカー、産業用ドローンメーカーとお客様をつなぐ商社として、技術、ノウハウ、データ、そして、お金の流れをつないでいく」と語るのは、GMOインターネットグループ代表の熊谷正寿氏。

 GMOインターネットグループがAI・ロボット事業に参入する。新会社「GMO AI&ロボティクス商事(通称・GMO AIR)」を設立。AIとロボット、産業用ドローンの導入・活用支援を軸とした新たな事業を開始する。

 近年は生成AIなど、GPU(画像処理半導体)の進化に伴い、AIロボット市場が成長。特に日本では2040年に働き手が1100万人不足するという予測も出ており、解決策の一つとしてAIやロボットの活用が期待されている。

 GMOでは、すでに約7800人の従業員へAI活用を促し、月間10万6千時間の業務時間削減を実現。2024年度は18億円のコスト削減を見込んでいる。こうしたAI活用のノウハウを顧客に提供し、AI人材育成の支援を手掛けるのが狙い。

「日本ではこれだけ便利な生成AIをまだ使っていない方々が8割もおり、本当に驚き。さらなる日本経済の成長を促すため、まずは啓蒙活動から第一歩を踏み出し、AIとロボット、産業用ドローンの国内普及を後押ししたい」(熊谷氏)

 生成AIは、米オープンAIが開発した「チャットGPT」の実用化をきっかけに22年以降、ビジネスや日常生活に急速に浸透。一方、偽情報の発信リスクがあることから、世界的に規制議論も盛ん。そうした状況下、人間と生成AIの関係はどうあるべきか。使う側の人間の倫理観が問われることになる。

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