autho=服部毅

TSMCがSK hynixから、AI(人工知能)サーバで主に活用が期待されている第6世代高帯域幅メモリ(HBM)「HBM4」のベースダイの大口受注を獲得した模様だと台湾メディア「経済日報」が6月24日付けで台湾半導体業界関係者による情報として報じている。

早ければ2025年にも、TSMCが筆頭株主となっているTSMCグループのASIC設計会社である創意電子(Global Unichip:GUC)が設計を担当し、消費電力の違いに応じてTSMCの5nmおよび12nmプロセスで製造し、TSMCの先端パッケージング技術である「CoWoS」でパッケージングが行われるとみられている。TSMCにとってはNVIDIA、AMDに続く、AI半導体関連の大口顧客となる。

SK hynixはこれまでのHBMについては、自社で設計・生産を行っていたが、HBM4については2024年4月、TSMCと開発に関する協力覚書(MOU)を締結したことを発表していた。ただし、具体的な内容については公表していなかった。GUCが受注したとみられるHBMのベースダイは、HBM4の底面のロジックIC部となり、その上にDRAMダイが16層積層される構造になると予想されている。

現行世代のHBM3やHBM3eでは、2025年に登場する見込みのTSMCの3nmプロセス(N3)採用AI半導体が提供する処理速度を最大限に引き出せないとされており、現在、DRAM大手3社ともに次世代のHBM4の開発を急ピッチで進めている状況にあり、SK hynixでは2025年末の量産、2026年の出荷拡大を目標に掲げているという。