北海道大学(北大)は6月25日、台湾の国立陽明交通大学と今後、半導体ナノテクノロジー分野を中心に、緊密な研究協力体制を確立していく旨の合意文書を取り交わしたことを発表した。
国立陽明交通大は、先端半導体を中心とする電子、情報通信、経営、工学分野での研究実績を有し、台湾で多くの産学連携を推進してきた経験を有している。北大と国立陽明交通大は、2013年より学術交流協定を締結し、研究交流や学生交流を進めてきたが、今回はそうした取り組みをさらに進める形で、半導体分野における共同研究や人材育成を中心に連携体制を強化していくことを目指すという。
具体的には、半導体ナノテクノロジーを中心として緊密な研究協力体制を確立するための共同研究グループを編成する形で、両大学の半導体分野における共同研究を推進するとしており、北大大学院情報科学研究院の村山明宏 特任教授と樋浦諭志 准教授、量子集積エレクトロニクス研究センターの石川史太郎 教授らが、半導体分野における次世代技術としてシリコンフォトニクスなどの光電融合に関する研究を進めている国立陽明交通大学の研究者らと連携し、優れた先進半導体の結晶成長と光電融合デバイスの作製、シリコンフォトニクスへの応用などを共同で検討していくことが予定されているという。 また、両大学ともにナノバイオや医療ヘルスケアに関する研究も盛んであることから、AIなどの高度情報処理や先端半導体との融合研究を見据えた連携も検討していく予定ともしており、そうした連携の一環として、国立陽明交通大の教師陣を北大に迎える形で、半導体ナノテクノロジーとバイオ医療科学に関する国際ワークショップも併せて開催したという。