Ansysは6月19日(米国時間)、3D-IC設計者向けにNVIDIA Omniverseのアプリケーションプログラミングインタフェース(API)を活用し、Ansysの物理ソルバーの結果をリアルタイムで可視化することが可能となるソリューションを発表した。

  • Omniverseによる3D-ICのビジュアライゼーション

    Omniverseによる3D-ICのビジュアライゼーションのイメージ (提供:Ansys)

複数の半導体チップを積層することで消費電力を抑えつつ、高性能化を実現することができる3D-IC技術に注目が集まっているが、チップの積層に伴う電磁界や熱、応力など、これまでの平面でのチップ集積では生じなかった問題を解決する必要性がでてきている。Ansysでは近年、そうした問題の解決のために3Dマルチフィジックスビジュアライゼーションの活用を提唱しており、今回の取り組みはそうした一連の動きに連なるものとなる。

具体的には、OpenUSDおよびNVIDIA RTX対応の3Dアプリケーションとワークフローを開発するためのAPIプラットフォームであるNVIDIA OmniverseをAnsysに統合することで、「Ansys HFSS」、「Ansys Icepak」、「Ansys RedHawk-SC」などのAnsysソルバーからの結果をリアルタイムで3D-ICビジュアライゼーションすることができるようになることから、3D-ICの設計者は、構築した3Dモデルを使用して、電磁界や温度変化などの現象を視覚的に評価できるようになり、次世代チップの最適化や機能性、信頼性などの向上が図りやすくなると同社では説明している。

なお、Ansysによると、RedHawk-SCに関しては「NVIDIA Grace CPU Superchips」によって高速化されており、より高性能なマルチフィジックス設計を実現できるようになっているという。