プリマジェスト、伊藤忠丸紅住商テクノスチール、燈は6月24日、3社で共同で、鋼材の材質を証明する添付書類「ミルシート」の自動仕分けプロジェクトを始動したと発表した。今回のプロジェクトではAIとソーターを組み合わせた「Millai Sorter(ミライソーター)」を開発し、これまで人手で毎日数時間かかっていたミルシートの仕分けを20分で97%の精度で行えるようになり、1カ月あたり約4万枚の自動仕分けに成功したという。
プロジェクトの概要
プロジェクトでは、プリマジェストの紙の仕分け機「SP3000」でスキャンした電子データをもとに、燈のAIがミルシートごとの仕分け先データを作成し、SP3000へ連携。その後、改めてSP3000でミルシートを通紙することにより、仕分け先データに従いミルシートを複数ある配紙先へ振り分けた。
スキャンしたミルシートの画像データやOCR技術で読み取った情報を燈のソフトウェアに保存することで、人手を介した仕分けコストを削減するだけではなく、業務のデジタル化により他の業務への最適な人員配置が可能になるという。
燈のAI-OCR技術として、AIによる仕分け先データの作成では、約20種類あるミルシートフォーマットの中から1つを特定し、OCR技術を使ってミルシート内の需要家、特約店、工事名などの文字を読み取り、その内容に応じてミルシートの仕分け先を指定する。
また、ミルシートは鋼材の品質を保証する重要な文書のため、高品質な画像取得や破損防止のために安定したフィード機構が必要となっている。プリマジェストのSP3000は、金融機関や物流業界での実績があり、安定した搬送を実現する設計・改良により安心して利用できるとしている。
Millai Sorterは、AIと仕分け機を使ってミルシートの仕分け業務を自動化し、業務負荷を最小限に抑えることが可能。特別な運用知識が不要で、人手不足解消や人的ミスの防止、作業の二度手間を省く効果があるとしている。