ガートナー ジャパンは6月18日~19日、年次カンファレンス「ガートナー アプリケーション・イノベーション & ビジネス・ソリューション サミット 2024」を開催した。本稿では、同社 バイスプレジデント アナリストの海老名剛氏によるセッション「『地政学リスク』がソフトウエア/クラウド・サービス契約に及ぼす影響とその対策」の内容をレポートする。

世界各地で有事が発生する今、ITリーダーたちは自社の契約状況を踏まえ、どのような備えをすべきなのだろうか。

  • ガートナー バイスプレジデント アナリストの海老名剛氏

地政学リスクの影響を考える際は3つの観点に着目すべし

地政学とは、国家間の緊張が起きるメカニズムを、地理的位置関係や文化の違いに照らしてひもとく学問であり、地政学リスクとは、ある場所の緊張の高まりが世界に脅威を及ぼすリスクを指す。

海老名氏は冒頭、国内企業向けのソフトウエア/クラウド市場の3分の2が外資系ベンダーにシェアされているという数字と、国内企業の海外拠点数も増加傾向にあることを示し、ソフトウエアやクラウドは利用する対象と場所により、「地政学リスクの影響を受ける」と説明した。そのリスクは、カネ、モノ、ヒトの3つの観点から考えるべきだという。

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