シスコシステムズ(シスコ)は6月21日、サイバーセキュリティ センター オブ エクセレンス(CoE)を東京に開設すると発表した。日本の組織や企業のセキュリティ向上と、デジタルレジリエンス(強じん性)の強化につなげる。
同センターは、サイバーセキュリティポリシーの策定、脅威インテリジェンスの連携強化、サイバーセキュリティ領域の優れた人材の充実に向けた研修の拡充といった役割を担う。企業や組織が刻々と変化するサイバーセキュリティの脅威に対処し、デジタルレジリエンスを構築できるように支援を行う。
また「Cisco Talos インテリジェンスチーム」の日本への展開にも貢献する。Cisco Talos インテリジェンスチームは、世界的な研究者、アナリスト、エンジニアで構成されるのビジネス向け脅威インテリジェンスチーム。同センターを通じてTalosの日本部門を立ち上げ、専門家による重要な脅威インテリジェンスやサイバーセキュリティ情報を提供する。
さらに、日本におけるITおよびセキュリティ人材の不足に対応するため、デジタル人材への投資も積極的に行う。無償の最先端のサイバーセキュリティコースを拡充し、すべて日本語の入門者向けコンテンツを利用できるようにする。シスコは今後5年間で新たに10万人のITおよびサイバーセキュリティ学習者に研修を実施することを目指す。
シスコが公表している「2024年サイバーセキュリティ成熟度指標」によると、サイバーセキュリティの脅威や攻撃に対応できる「成熟」したサイバーセキュリティの枠組みが整備されている日本の組織は2%にとどまっている。
シスコシステムズ 代表執行役員社長の濱田義之氏は「デジタルの脅威がより巧妙になる中、シスコのサイバーセキュリティCoEは、日本の企業や組織をサイバーセキュリティの脅威や攻撃から守るための革新と教育の中核として存在していく。同センターは日本のデジタル環境の改善と、すべての人に安全でインクルーシブな未来を実現する当社のパーパスを改めて示すものだ」とコメントしている。