先日、フィンランド・ヘルシンキの「Cable Factory」で「Sphere 2024」を開催したセキュリティ企業のWithSecure(ウィズセキュア)。本稿では、2日目の基調講演に登壇したWithSecure CRO(Chief Research Officer)のMikko Hypponen(ミッコ・ヒッポネン)氏の「We Can't Uninvent Things」(私たちは物事を発明することはできない)をテーマにした話を紹介する。

革新的な技術は良い面も悪い面も受け入れざるを得ない

登壇するなり、ヒッポネン氏は「私が最初に分析したマルウェアは1992年にロシアで作成され、広まった『Phantom』というものです。そして、この分野で働いてきた30年以上の年月を通じて、技術の変化がどのように私たちの社会を変えているかについて考えてきました。なぜなら、技術革命ほど私たちの社会を形作るものは他にありません」と述べた。

  • WithSecure CRO(Chief Research Officer)のMikko Hypponen(ミッコ・ヒッポネン)氏

    WithSecure CRO(Chief Research Officer)のMikko Hypponen(ミッコ・ヒッポネン)氏

同氏は産業革命から急速な技術革命はスタートし、体を酷使していたことを機械で代替させ、電力の革命、インターネットによる接続の革命、現在のAIまたは生成AIの革命と続いており、これらはすべてトレードオフだという。というのも技術革命から表面的に素晴らしい成果を得ると同時に、裏側では必ずデメリットも存在するからだ。

何かを発明し、技術革新を行うとき、それを望むかどうかに関わらず、永遠に私たちとともにあり、多くの場合は消えてほしくないと考えるという。例えば、私たちの時代の最大の発明の1つであるインターネットは多くの利益、多くの新しいビジネスチャンス、多くの新しいエンターテイメント形式、多くの接続形式など最高なものをもたらした一方、オンライン犯罪、オンラインリスクなどをもたらしたひどいのものでもあるとのことだ。

  • インターネットは最高であると同時にひどいという

    インターネットは最高であると同時にひどいという

ヒッポネン氏は「好むと好まざるとにかかわらず、悪い面も受け入れなければなりません。したがって、インターネットはこの素晴らしさと同時に恐ろしさを持つ典型的な例です。これは私たちが消えてほしくない革新の例です」と指摘。

同氏によると、革新的な技術は良い面が明らかに悪い面よりも大きいことから、悪い面を受け入れざるを得ないという。つまり、技術革命は表裏一体ということだろう。

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