生成AIの法人活用推進サービス「法人GAI」やマーケティングDX(デジタルトランスフォーメーション)支援サービス「DECA」を手掛けるギブリーは6月20日、生成AIによる企業のマーケティング実務の本質的な自動化・効率化を支援するため、中国で最大の検索エンジンを提供するバイドゥ(百度)との業務提携および技術提携を実施することを発表した。
今回の提携で、百度グループは独自開発したAI画像生成技術などをギブリーに提供する。同社は、これまで培ってきた生成AIの法人利活用における実務的な課題やAIプロダクトの開発ナレッジと、マーケティングDX支援部門において培った実務ノウハウをもとに、専門性の高いマーケティング実務の生産性を高めるための実用化を目指し、共同研究を進める。
急成長する中国の生成AI技術
世界的な生成AIブームを受け、中国でも2023年から生成AI業界に参入する企業は急増し、メガテック企業のみならず、大学・研究機関、テック業界のリーダーが起業したベンチャー企業、および産業分野向けのサービス企業も参入している。
中国独自のAI技術をベースに、金融、医療、教育、ECなど多くの分野での実装が進んでおり、特にAI生成インフルエンサーによる24時間無休のライブコマースなど、マーケティング領域においては、日本を凌駕するような活用事例も見られているという。
百度はインターネット基盤を持つAIリーディングカンパニーとして、検索サービスで得られたデータを強みとし、直近10年間ではディープラーニングをはじめ、対話型AIオペレーティングシステム、自動運転などの最先端分野への投資を続けてきた。
その中で昨年3月には、新世代の知識強化型大言語モデル「文心一言(ERNIE)」のテストを正式に開始し、同年10月には、総合能力においてGPT-4に匹敵するレベルの「文心一言(ERNIE 4.0)」を正式にリリースしている。
今後の展望
両社は、今回の提携後も生成AIに関する技術交流を続け、最先端の技術を随時提供していく考えだ。ギブリーでは、百度との技術提携を通じて、企業コミュニーションなどにおいて先進的な生成AI活用が進む中国発の先端AI技術を取り入れ、国内のマーケティングおよびクリエイティブ実務に最適化する形で画像・音声・動画生成等の実用化を行い、国内のマーケティング実務の生産性を高めるソリューションの提供を目指す。