東宝の『ゴジラ-1.0(ゴジラマイナスワン)』の興行収入が上がり続けている。映画賞『第96回アカデミー賞』で視覚効果賞を受賞し、現在も観客数が増加。今年3月17日時点での国内観客動員は420万人、6月4日時点で興行収入は76億円。いまだ映画館での上映は続きその数は伸び続けている。
ゴジラは1954年に第一回が上映されてから、国内30作品、アニメ3作品、海外5作品、テレビアニメ1作品、全39作品が出ている。水爆実験や環境問題、核戦争、原発など、時代に合わせて常に新しい社会メッセージが込められている映画作品であり、単なる怪獣映画ではないことが人気の理由。
2004年には「ハリウッド・ウォーク・オブ・フェイム」に、日本のキャラクターとしてゴジラのみが登録されていることを考えると、既に世界的なキャラクターになっているといえよう。2016年『シン・ゴジラ』の大ヒットをきっかけに、キャラクタービジネスをさらに拡大するため、同社は新たにゴジラのブランド観を明確に定義。この定義に沿ってゴジラのIP(知的財産)ビジネスが展開されることとなっている。
ゴジラのIPビジネス拡大の動きは行政機関にも広がる。東京都庁とのコラボレーションで、今年4月末からゴジラのプロジェクションマッピングが都庁舎で上映。ゴールデンウィーク時には6万人を動員した。都庁は無料展望台があることから多くのインバウンド客が訪れる観光スポットで、訪れる人に日本を代表するキャラクターとして訴求し、認知度の向上と更なる人気の上昇が期待される。
70年に渡り愛されてきたゴジラ。日本を代表するキャラクターとして国や世代を超えてさらなる認知拡大のためには、今後のブランドマネジメントが非常に重要になってくる。