山や海での行方不明者の位置を特定する捜索サービス「ココヘリ」を運営するAUTHENTIC JAPANは6月19日、7月1日に開始する登山規制において、富士山の吉田ルート(山梨県)でココヘリの位置情報の提供による登山者の安全確保に加え、人流データを活用した実証実験を行うことを発表した。なお、実証実験は7月1日から9月10日の期間で実施される予定。

実証実験の概要

山梨県は7月1日から、午後4時から午前3時までの間、あるいは1日の登山者が4000人を超えた場合に登山規制を行う。この運用に伴い、人流の変化や、場所によっては新たな混雑などの発生が想定されている。

今回の実証実験では、吉田ルートを通る登山者にココヘリの端末を計100個無償配付し、富士山5合目から山頂までのエリア内にいる登山者の位置情報を、ココヘリのGPSを用いて取得する。

ココヘリは、会員に専用の電波を発信する発信機を貸与し、山岳遭難時に受信機を持った民間提携ヘリコプターを始めドローンや民間地上捜索隊を出動させ、発信機と受信機の「直接通信」を用いて登山者の位置を特定することで、捜索時間を大幅に短縮できるサービス。

同サービスが取得する情報から、登山者の登山速度や滞留状況などの人流データを、日別、時間帯別に把握することができるという。

今後の展開

今回の実証実験により得られたデータを元に、登山者が密集する箇所や時間など、問題点の把握を山梨県と共同で行う予定としている。

また、登山道が混雑するなどの問題を抱える他の山においても、同様の実証実験の可能性を検討することで、安全登山の実現に貢献していきたい構え。