米Metaは6月18日(現地時間)、「Threads API」のリリースを発表した。このAPIを通じて、開発者、クリエイター、ブランドが独自の統合機能を構築・提供できる。同社はAPIのベータ段階において、Grabyo、Hootsuite、Social News Desk、Sprinklr、Sprout Social、TechmemeといったパートナーとAPI評価を重ね、フィードバックを収集していた。
ThreadsはMetaのInstagramチームが開発したソーシャルメディアサービスである。
2022年10月にイーロン・マスク氏がTwitterを買収し、その後のサービス改変でTwitterから離れるユーザーの動きが見られるようになった。そうした中、2023年7月にMetaがThreadsを開始した。当初は基本的な機能しか備えていなかったためユーザー数の伸びが停滞する時期が続いた。しかし、タグ、Web版、投稿の編集、キーワード検索、トピック、複数アカウントなどの機能追加により、アクティブユーザーが増加し始め、Xとの差を縮めている。2024年1〜3月時点の月間アクティブユーザー(MAU)は1億5000万人となっている。
Twitterは成長期において、APIを通じてサードパーティによるデータアクセスや分析、モニタリング、情報の収集や再利用を可能にした。それにより、独自の機能を備えたTwitterクライアントやTwitterを利用したサービスが登場し、マーケティング、災害・緊急時対応の情報プラットフォームとしても利用されるようになった。しかし、Twitterを買収したマスク氏は、収益化とコスト削減、プラットフォームの一貫性を維持するためにAPIアクセスを制限し、サードパーティのTwitterクライアントを排除した。
Threadsはユーザーコミュニティや開発者とともに成長するアプローチをとっており、API公開はActivityPubのサポートとともに開発者コミュニティからの注目を集めていた。
Threads APIでは、認証、投稿の公開、コンテンツの取得が可能である。返信管理機能により、返信や引用のコントロール、投稿への返信の取得、返信の非表示、特定の返信の非表示や制御を行うことができる。また、閲覧数や「いいね!」数、返信数、引用数、フォロワー数、アカウントのフォロワー属性など、主要な指標を確認することが可能である。
Threads APIのサイトで開発者向けのドキュメントを入手でき、「Threads Use Case」でMetaの開発者プラットフォームにおけるアプリ作成のプロセスを確認できる。また、開発者がAPIを理解するための実用的なガイドとして、Threads APIサンプルアプリを公開している。