JX金属は6月18日、需要が拡大する次世代半導体向けCVDならびにALD材料の本格供給に向けて、同社日立事業所白銀地区および東邦チタニウムの茅ヶ崎工場敷地内への生産設備および開発設備投資を決定したことを発表した。
半導体の高性能化ニーズは留まるところを知らず、その実現としてさらなる微細化や多層化が求められている。同社ではこれまで半導体製造におけるPVDプロセス向けスパッタリングターゲットを手掛けてきたが、2024年2月にスパッタリングに加えて、CVDならびにALDによる薄膜形成ニーズが高まることを見据えて「CVD・ALD材料事業推進室」を新設、同材料の早期事業化を目指した取り組みを進めてきた。
これまで同組織において、新たな高純度CVD・ALD材料の量産ラインを構築し、顧客へのサンプル出荷を進めてきており、良好な評価を獲るなど、品質などに問題がないことが見えてきたことから、今後の本格採用による需要の拡大が見込まれることから、今回、その生産能力を増強することを決めたという。
茅ケ崎工場には2024年度下期、日立事業所には2025年度上期をめどに生産設備を導入し、稼働を開始する計画だとしている。また、同事業の今後の展開に向け、新規プロセス開発や新規材料開発に向けた設備強化を行っていくともしており、これにより拡大する顧客需要への対応を図っていくとともに、高性能化が加速する半導体の進化を支えていきたいと同社では説明している。