Malwarebytesは6月12日(米国時間)、「No AI training in newly distrusted Terms of Service, Adobe says|Malwarebytes」において、Adobeが最新の利用規約に関してAIトレーニングに関する明確な説明を行ったことを報じた。この説明は利用規約の言葉遣いに不安を感じたPhotoshopやSubstance 3Dのユーザーに向けたものとされている。
新たな利用規約でユーザーコンテンツをAIトレーニングに使用しないことを明言
事の発端は、Adobeが今月初めに発表した利用規約を変更したことにある。この変更にはAdobeがユーザーのコンテンツに無制限にアクセスを持つかのような誤解を招く表現が含まれていたという。特に「ユーザーはコンテンツを使用、複製、公開、配布、変更、派生作品の作成、公開、翻訳するための非独占的、全世界的、ロイヤリティフリー、サブライセンス可能なライセンスをAdobeに付与する」といった文言が、同社の生成AI「Adobe Firefly」のトレーニングにユーザーコンテンツが利用されるのではないかという疑惑を引き起こしていた。
これを受けて、Adobeは6月10日に公式声明を発表し事態の沈静化を図った。声明によると、顧客のコンテンツで生成AIをトレーニングすることはないとされ、Adobe FireflyはAdobe Stockなどの許可を得たライセンスコンテンツおよび著作権が期限切れのパブリックドメインコンテンツでのみトレーニングされると発表している(参考: Here’s what to know about Adobe’s Terms of Use updates | Adobe Blog)。
さらにユーザーの信頼を取り戻すための措置を講じる意向が示されている。利用規約の更新に伴い、ユーザーのコンテンツ所有権が守られていること、製品改善プログラムからのオプトアウトが可能であること、Adobeがユーザーのローカルコンピューターに保存されているコンテンツをスキャンしないことが強調されている。
Adobeは公式発表内でユーザーのフィードバックを真剣に受け止めていることを表明し、利用規約をより分かりやすくするための取り組みを進めていくと述べている。6月18日に新しい利用規約が公開される予定で、これによりAdobeがユーザーの作品に対して許可する行為がより明確になる見込みであることを伝えている。