KDDIは6月14日、5G(第5世代移動通信システム)の大容量かつ高速な通信を実現するSub6(3.7ギガヘルツ帯 / 4.0ギガヘルツ帯)エリアを拡大する計画を5月末までに実施し、Sub6エリアが関東地方で2.8倍、全国では1.5倍に拡大したことを発表した。Sub6エリアでは、従来の5G接続と比較して通信速度が約3倍に向上したという。

  • 関東地方でのエリアの広がり

    関東地方でのエリアの広がり

同社は約3.9万のSub6基地局を展開。これまでは、衛星通信事業者が保有する地球局と人工衛星局間で利用している3.6~4.2ギガヘルツ帯と、Sub6基地局で利用する3.7ギガヘルツ帯および4.0ギガヘルツ帯の周波数帯域間の干渉を抑止するため、Sub6基地局の出力を制限してアンテナ角度も適正値より下げて設定していたという。

2023年度末に衛星通信事業者により地球局の移転が実施され、衛星干渉条件が緩和された。これにより、2024年4月から5月にかけてSub6基地局の出力アップおよびアンテナ角度の最適化が可能となり、関東地方を中心にSub6エリアを拡大している。

  • Sub6下りの通信速度

    Sub6下りの通信速度

KDDIは2020年3月に5Gサービスを開始した。5G導入期は4G周波数を5Gに転用することで早期に5Gエリア展開を図り、特にユーザーの生活動線となる鉄道路線や商業地域において重点的なエリア整備を進めた。今回の計画により、Sub6が利用できる鉄道駅が519駅から612駅に増加し、商業地域では338スポットから363スポットに増加する。