アドビは6月13日、Adobe Acrobatの生成AI機能「Acrobat AI Assistant」の日本語版を開発中であると発表した。提供開始時期や価格は未定。
Acrobat AI Assistantの概要
Acrobat AI Assistantは、Acrobat ReaderとAcrobatのワークフローに統合された、生成AIベースの対話型エンジン。英語版は今年4月から提供開始されており、Acrobat Reader、Acrobat デスクトップ版、webアプリ、モバイル版、Google ChromeとMicrosoft Edgeのブラウザ拡張機能において月額4.99ドルからの追加のサブスクリプションで提供している。
同機能は、複数または長文のドキュメントから即座に要約やインサイトを生成、ユーザーからの質問の回答を通じて、利用目的(電子メール、レポート、プレゼンテーションなど)に応じた文章の共有を実現する。
また、アドビのAIと機械学習モデルを活用することでPDFの構造と内容を独自に理解し、サードパーティの大規模言語モデル(LLM)のテクノロジーを補完しているという特徴も兼ね備えている。
加えて、アドビのAI倫理プロセスに基づき、サードパーティのLLMがアドビの顧客データに関するトレーニングを行うことを禁止しているため、Adobe Acrobat内の文書の内容がサードパーティLLMに学習されることはない。
アドビのカスタマイズしたアトリビューションエンジンによって、情報の引用元を生成し、情報の出所を明確にすることも可能。日本語版では、日本語のユーザーインタフェースで日本語の文書を読み込むことができるようになるという。
Acrobat AI Assistant(英語版)の機能例
Acrobat AI Assistant(英語版)の機能例は以下の通り。
Generative summary
PDFの内容を解析してAIが要約する機能で、全体要約、セクションごとの要約が可能。PDF内にある情報のみを要約するため、生成AIで発生するハルシネーションなど信頼性の低い情報を提示することがない。
AI Assistant
読み手がPDF内の情報を効率的に理解しやすくする質問をAIが作成し、その質問をクリックすることで回答を確認できる。また、自分で質問を作成して回答を得ることも可能。回答にはPDF内の情報の引用元が表示される。
サマリーした内容や質問と回答は、電子メールやプレゼンテーションといった利用目的に合わせて書式をフォーマットし、コピー&ペーストして活用することができる。