オリンパスは6月12日、インド・テランガナ州ハイデラバードにて、研究開発戦略の一環で「オフショア・ディベロップメント・センター(ODC)」の活動を開始したことを発表。またその設立と共に、ハイデラバードで数年後に自社研究開発センターの開設を目指すことも併せて発表された。

  • インドでの内視鏡サポートの様子

    インドにおける内視鏡サポートの様子(出所:オリンパス)

オリンパスは2009年、ハリヤナ州グルグラムに医療機器の営業拠点「Olympus Medical Systems India(OMSI)」を設立し、インドで事業を拡大してきたとのこと。中でもハイデラバードは医療機器産業が集積する主要都市であり、研究開発の優れた人材が豊富であることも知られている。

そして今般同社は、ODCの活動開始を受けた最初の取り組みとして、グローバルにITサービスを提供するHCLテクノロジーズ(HCLTech)との戦略的合意に基づいて、オリンパスのイノベーション創出推進と研究開発体制の強化を開始。オリンパス 執行役 チーフテクノロジーオフィサー(最高技術責任者)のAndre Roggan氏は「HCLTechとは約10年間にわたるパートナーシップ関係を築いており、今回の協業を報告できることをとても嬉しく思う」としている。

なおオリンパスとしては、将来的にハイデラバードに研究開発拠点を立ち上げることで、同社が目指す医療技術の発展に欠かせない研究開発の人材やリソースをさらに充実させ、医療事業の拡大を図る考えとのこと。自社の開発センターとしては、日本・米国・欧州に続く拠点になる予定だという。

また、ハイデラバードの医療機関「AIG Hospitals」との共同研究プロジェクトも計画されており、インドでのプレゼンスが高まる機会だとして期待が集まっているとする。インド有数の医療機関との協業を通じて、オリンパスが医療事業で行った専門性や知見を最大活用し、世界の医療ニーズを満たすイノベーション創出につなげていくとした。

オリンパスは、こうした戦略的な取り組みによりグローバル展開を推し進めるとともに、インパクトのある医療ソリューションの提供能力を高めることで医療水準の向上に貢献していくとしている。