OKIエンジニアリング(OEG)は、特殊計測試験装置メーカーが求められる役割の1つである装置の校正作業を代わりに担い、メーカーによる校正と同程度の基準を満たすサービスを提供する「タイアップ校正サービス」を6月19日より開始する。

専門性を要する計測試験装置の校正を代わりに行う新サービス

計測機器や試験装置は、時間が経つにつれてわずかながら測定結果にずれが生じうるため、それを直す校正作業が必要となる。特に特殊な計測試験装置を取り扱うメーカーにおいては、その校正作業に専門技術や専用機材が必要となるため、自社でサービス提供を行うケースが多いという。

しかし現在では、市場のグローバル化や技術開発の進展を背景に、各メーカーによる商品開発のスピードも加速しており、社内の人材や資源などのリソースを商品開発に集約したいというニーズが増え、校正業務のアウトソーシングが求められるようになっている。

加えて、製品やサービスの信頼性要求が高まっていることから、ISO/IEC17025などの規格に準拠した校正作業が求められているとのこと。だがこれらの規格認定を取得するためにも多くの作業工数を要することから、計測試験装置メーカーの悩みの種となっていたとする。

そこでOEGは今回、校正機関として約50年の実績を持つ強みを生かし、これまで装置メーカーが実施していた校正や修理などのアフターサービスの一部を代わりに行う新サービスを開始する。同社はサービスの特徴として、長年の実績により、半導体テスターをはじめとする精密機器や古い機種にも幅広く対応できる点を挙げる。またOEGがISO/IEC17025認定機関である上、これまでメーカーのリソースを多く要していた全国への出張校正にも積極的に対応できるとしている。

  • 新サービスの概要

    新サービスの概要。これまではメーカーが行っていた校正や一部の修理作業を、OEGが代わりに担う(出所:)

臨機応変なサービス形態で3年後に売り上げ3億を目指す

なおサービス提供にあたっては、OEGと装置メーカーとの間でNDAを締結したのち、メーカーからOEGに対して試験機の技術マニュアルや構成方法に関する講習を提供する。その後、校正技術に対するメーカーからの認定を取得してから、校正サービスの展開が開始することになる。OEGの担当者によると、サービスの形はさまざまな形が想定されるといい、OEGに対して装置のユーザーから直接校正依頼が届く形や、メーカーを介して依頼する形など、さまざまなスキームが想定されるという。

OEGは、長年培ってきた経験を活用して専門技術・専用機材を必要とする校正作業を提供することで、これまでその作業を外部に委託できなかった特殊計測試験装置メーカーの業務負担を軽減し、ものづくり産業の発展に貢献するとしている。