パナソニック エレクトリックワークス社(パナソニックEW)は6月3日、北海道札幌市で「LEDベースライトにおける資源循環型ビジネスモデル開発」に関する記者説明会を実施した。説明会には、同社ライティング事業部 綜合企画室 企画推進課の阿部益巳氏、同 マーケティング本部 北海道電材営業部 営業部長の佐藤健悦氏、同 担当部長の馬杉道裕氏らが登壇し、同社が取り組んでいる、ライティングに関する実証事業について説明した。
資源循環型ビジネスモデルの実証を開始
最初に登壇した阿部氏は、近年の世間のサーキュラーエコノミーの関心について、「サーキュラーエコノミーという言葉について認識のない人が多いものの、『3R(リデュース・リユース・リサイクル)』に取り組むべき、と考えている人は多い」と説明した。
これらの世間の関心を受けて環境省は「デジタル技術などを活用した脱炭素と循環経済を同時に達成する循環資源システムの効果を試算するために必要なデータ収集・整理を行う」という内容の実証事業を行っている。
しかしサーキュラーエコノミーの取り組み自体を目的としてしまい、普及していないという現状があるため、同社は環境だけでなく、技術開発者・企業・顧客のそれぞれが有益となるような仕組み作りを立案し、4社の実証パートナーと6社の協力企業とともに検証を実施した。
「2050年のカーボンニュートラル達成に向けて事業者の環境に対する意識が高まっている一方で、照明器具は寿命に応じた更新ではなく、店舗改修などに合わせた更新が一般的であり、取り外した照明器具は使用可能か否かによらず廃棄されており、資源環境が十分とは言えませんでした。加えて、導入コストの観点から、依然として従来型の照明機器である蛍光灯の使用を継続している事業者も多く、その数は約半数となっています」(阿部氏)