HORIBAグループで水計測事業を展開する堀場アドバンスドテクノは6月4日、水供給インフラにおける水質管理業務を効率化する自動水道水質測定装置「GX-100」を同日より発売したことを発表した。
安全な水を安定的に供給するため、世界各国ではさまざまな水質基準が定められている。昨今の人口増加や新興国の都市化などにより、海外の水ビジネス市場は拡大傾向にあるとのこと。また日本国内においては、既存インフラの維持・メンテナンスに要する人手の不足が課題として顕在化しており、広範囲に設置されている水質計の現場を1か所ずつ訪れて行われる測定やメンテナンスの膨大な作業負荷を改善することが求められている。
そうした背景から堀場アドバンスドテクノは、作業現場での滞在時間を最小限に抑え、洗浄や校正から交換作業までの業務効率化を追求した新製品としてGX-100を開発したとしている。
新製品では、同社として初めてモジュール式水質計が導入されており、これにより現場での校正作業時間が約50%低減されるとのこと。工具や治具を用いることなく簡単かつ短時間でモジュールが交換できるため、水ビジネスの規模が急拡大している地域における人手不足の解消に寄与できるとする。
また新製品専用のアプリも開発されており、スマートフォンやタブレットを用いた測定値の設定や、校正時期・測定データの確認も可能。メンテナンス時の作業工数を削減し、業務効率化や作業現場での滞在時間削減に貢献するとした。
また計測の面では、上水関連の規制で測定が求められる濁度・色度・pHなどといった主要7項目が測定できる上、独自開発の洗浄機構により、濁度や色度の連続測定を行いながらデータを欠測することなく測定部の洗浄が可能だとする。
堀場アドバンスドテクノによると、GX-100は、浄水場や配水場、配水池、ポンプ場などの施設から、家庭に水道水を運ぶ給水管の末端まで、幅広い領域での水質管理に使用されるとのこと。モジュールを容易に脱着できる構造やスマートフォン・タブレットによる操作の実現により、業務効率向上や人手不足解消など、働き方改革の推進に貢献するとしている。