イーデザイン損害保険(イーデザイン損保)とNTTコミュニケーションズ(NTT Com)の2社は6月3日、1月~3月にかけて実施した、カスタマーセンターへの問い合わせが多い自動車保険の車両入替業務をユースケースとして生成AIを搭載したアバター(バーチャルコンシェルジュ)の精度検証について、その結果を発表した。
生成AIの対話精度
実証では、車両入替手続きに関する対話のやりとりやFAQを生成AIに組み込み、カスタマーセンターでの応対を想定した対話モデルを構築した。この際に、通常の車両入替手続きに加え、主な運転者が変更となるなどのイレギュラーなケースを含む5種類のシナリオを組み込み、対話の精度や応答速度などを評価。その結果、将来的には顧客接点として商用化が可能な水準であり、実用化を目指したさらなる検討を進めるとの結論に至ったとのことだ。
バーチャルコンシェルジュのデザイン
De-Identificationの動画生成AI(Creative Reality Studio)を活用して、実在の社員を基にしたバーチャルコンシェルジュを生成し、外観や動作などを評価した。その結果、人間としての自然な動作や応答速度などに課題は残るものの、実務における顧客接点として活用できる可能性があるとの結論に至っている。
安心・安全な対話の実現
悪意のある問いかけや、ハルシネーション(AIがもっともらしい誤情報を生成してしまう現象)の発生などを想定した対話を複数の生成AIに投入し、生成AI側に実装されたフィルター機能を確認。その結果、実用化に向けては一定の効果は確認できたが、ルールベースとの融合などさらなる検討が必要であることが、明らかになったという。