ディー・エヌ・エーの子会社であるアルムは5月30日、2024年診療報酬改定における特定集中治療室遠隔支援加算の新設を受けて、集中治療室遠隔支援事業であるACU事業部を立ち上げたことを発表した。
特定集中治療室(以下、ICU)は重症患者を治療するために重要な医療施設であり、特に緊急時には必要不可欠。日本のICU病床数は人口10万人当たり5.6床だが、ドイツは約30床、イタリアは約12床だ。OECD加盟国でデータがある国々の平均である12床に対して、日本は世界的に見て低い水準である。
また、公的病院でのICU不足に加えて、重症患者へ十分な医療提供するための集中治療医やICU配置看護師といったマンパワーの不足が、コロナ禍で浮き彫りとなった。そうした中で、集中治療医がICU専従することで、診療成績の向上に関連することが国内外の論文で発表されている。
そこでアルムは、医療関係者間コミュニケーションアプリ「Join(ジョイン)」開発・運用のノウハウを活用したICT提供の上で高度医療機関と連携する事業を開始する。集中治療専門医の不足や地域偏在による医療格差の是正、集中治療に関するデータ蓄積によって、医療の質の向上とさらなる医療の発展の促進を目指す。