IPAは5月30日、経済産業省が作成した「DX推進指標」を用いて各企業が自己診断した結果を収集・分析した結果を、「DX推進指標 自己診断結果 分析レポート(2023年版)」として公開した。

過去5年間の中で最も多い4,047社を分析

2023年版では、自己診断結果を提出した企業4,047社の全体的な傾向を分析するとともに、中小企業や企業規模別、先行企業、DX認定制度で認定された企業の他、DX推進指標を毎年活用している企業等の特徴を分析した。対象となる企業数は、過去5年間で最も多い4,047社となったという。

2019年版では大企業が全体の7割以上を占めていたのに対し、2023年版は中小企業が全体の約9割を占めている。全指標の現在値の平均は1.26(レベル1「一部での散発的実施」に相当)と前年に比べわずかに上昇し、中小企業を含めた日本全体のDX推進状況の実態を表す現実的な数字が示されたとのことだ。

  • 「DX推進指標」の経年変化 引用:IPA

企業規模別の「DX推進指標」の特徴

企業規模別にみると、大規模企業は2.57、中規模企業は1.55、小規模企業は1.12と、大規模企業が最も高い結果になっている。

IPAは、小規模企業について、まずは事業の成長につながるデータ活用に力を入れており、大規模企業と中規模企業が先行しているプライバシーやデータセキュリティは、これから取り組む段階と考えられると指摘している。

また、 大規模企業はその企業規模ゆえに、環境変化に素早く対応することに難しさを抱えている一方、中規模企業ではDX(デジタルトランスフォーメーション)推進を担う人材の育成と確保が、また小規模企業ではDXを進めるための取組を組織としてどのように評価するのかが難しいと考えられるとの見解を示している。

  • 企業規模別の「DX推進指標」の特徴 引用:IPA