【総務省】15歳未満の子ども 43年連続減、止まらぬ少子化

総務省は、4月1日現在の15歳未満の子どもの推計人口が前年より33万人少ない1401万人で43年連続の減少となったと発表した。過去最少を更新。総人口に占める子どもの割合は50年連続で低下、11.3%と過去最低だった。少子化に歯止めがかからない現状が改めて浮き彫りになった。

 少子化の加速と人口減少はこの国に大きな影を落としているが、政府は有効な手を打てないままだ。民間の有識者らでつくる「人口戦略会議」(議長・三村明夫日本製鉄名誉会長)は4月、全体の4割に当たる全国744市町村で2050年までに、子どもを産む中心的な年代である20~39歳の若年女性の人口が半減し、将来消滅する可能性があるとの報告書を公表。

「少子化基調は全く変わっていない」と危機感を表明した。

 人口戦略会議は、744市町村を「消滅可能性自治体」と位置付けた。2014年の分析から152少なくなった。地域ブロック別では、東北が165で最多。九州・沖縄が76で最も少なかった。

 一方、100年後も若年女性が現在の5割近く残っている65市町村を「自立持続可能性自治体」とし、出生率が低く、他地域からの人口流入に依存している25市区町村を「ブラックホール型自治体」に分類した。

 松本剛明総務相は「われわれも危機感を共有している。対策をしっかりと講じたい」と強調。自見英子(はなこ)地方創生担当相は「少子化や人口減少の流れに歯止めをかけるべく政府一丸となって取り組む必要がある」と述べた。

 人口戦略会議は、政府がこの10年で取り組んだ対策を「人口減少の基調を変える効果は乏しい」と指摘。各地の知事らからは、人口戦略担当の省庁や大臣の設置など体制強化を求める声が出ている。

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