市場調査会社のGartner(ガートナー)は5月29日(米国時間)、2024年のAI半導体市場規模は前年比33%増の710億ドルに達するとの予測を発表した。

中でもマイクロプロセッサからデータ処理をオフロードするAIサーバにおけるAIアクセラレータ市場は210億ドルで、2028年までに330億ドルまで成長することが見込まれるとしている。生成AIを中心としたAI市場をけん引するのはGPUだが、大手ハイパースケーラー(AWS、Google、Meta、Microsoft)各社ともにAIアクセラレータとして独自半導体の開発に投資を進めており、この理由についてガートナーでは、カスタムチップを活用することで、開発・製造コストはかかるが、自分たちの目的にチューニングされていることから運用効率の向上が図れ、ユーザーにAIベースのサービスを提供するコストの低減、ならびにユーザーが新しいAIベースのアプリケーションにアクセスするコストの低減を図ることができるようになるとしており、AIの開発から、実際に市場にアプリケーションとして展開が進むにつれて、この傾向は加速していくことが予想されるとしている。

また、NPUを搭載したPC、いわゆるAI PCの出荷が2024年より本格化。PC出荷全体の22%に到達することが予想されるほか、2026年末までに企業が購入するPCのすべてがAI PCに置き換わるとも予測。こうした背景もあり、2024年は、コンピュータエレクトロニクス分野からのAI半導体売り上げは合計で334億ドルに達し、これは全体の47%を占める規模となるとしている。このほかの分野としては、自動車エレクトロニクス分野が71億ドル、民生用エレクトロニクス分が18億ドル同社では予測している。

なお、2025年については、同29%増の920億ドルと引き続き、力強い成長が継続するものと予測している。

  • AI半導体市場の2023年~2025年にかけての予測

    AI半導体市場の2023年~2025年にかけての予測 (出所:ガートナー)