岐阜県白川村と富山県南砺市はこのほど、世界遺産としての合掌造り集落の魅力をデジタル上で体験できるWebサイト「白川郷・五箇山の合掌造り集落 世界遺産センター」(以下、デジタルヘリテージセンター)を公開した。
NTTコミュニケーションズ(以下、NTT Com)は5月27日、このデジタルヘリテージセンターについて、NTT Comの技術提供を受けてNTTドコモが企画開発しRelicが運営するメタコミュニケーション「MetaMe(メタミー)」がメタバースコンテンツとして採用されたことを発表した。
デジタルヘリテージセンターの特長
デジタルヘリテージセンターはWeb上での疑似的な博物館体験を目指しており、一つ一つのコンテンツが世界遺産としての合掌造り集落の魅力を発信しているという。白川郷・五箇山の歴史的な成り立ちから、合掌造りが生み出された産業的な背景、合掌造りの構造や白川郷・五箇山における合掌造り家屋の違いなどを紹介している。
NTT ComとNTTドコモは技術協力としてMetaMeを活用したコンテンツ「白川郷・五箇山ワールド」を構築し、合掌造り集落の仮想世界の中で相互交流が図れる空間を整備した。このメタバース内では合掌集落のガイドや村民との交流、普段できない体験が可能。将来的には、イベントの実施など仮想空間ならではの魅力を伝える場として利用するとのことだ。
デジタルヘリテージセンターの開設目的
世界遺産のある地域の多くでは、価値を伝え関連情報を提供する世界遺産センターを保有し観光振興や保全活動に寄与している。しかし、白川郷・五箇山エリアにおいては、その機能を持つ施設が無かった。また、当該エリアは岐阜県大野郡白川村と富山県南砺市にまたがって登録されており、両自治体が協働で一つの資産の魅力を伝えるコンテンツも不足していた。
そこで今回は、白川郷・五箇山を訪れる前の事前学習や実際に訪れて興味を持ったことをさらに深く学ぶなど、利用者がそれぞれのタイミングでWeb上から「デジタルヘリテージセンター」に訪問できる仕組みを構築した。合掌造りの資産が持つ魅力や、今もなお人々が暮らす白川郷・五箇山の世界遺産集落への造詣を深め、住民の保存への思いにも共感が広がることを目指すとのことだ。