NVIDIAは5月22日(米国時間)、2025会計年度第1四半期(2〜4月)の決算発表を行った。

それによると、売上高は前四半期比18%増、前年同期比262%(3.6倍)増の260億ドルと四半期ベースで過去最高を記録した。また営業利益も、前四半期比24%増、前年同期比690%(7.9倍)増の169億ドル、純利益も前四半期比21%増、前年同期比628%(約7.3倍)増の149億ドルといずれも好調な結果となった。

売上高を部門別にみると、主力のデータセンターが前四半期比23%増、前年同期比427%(約5.3倍)増の226億ドルと大きく伸ばし一方、ゲームおよびAI PCは、前四半期比8%減、前年同期比18%増という結果としている。

また、2025会計年度第2四半期(5-7月)の売上高見通しについては、第1四半期比8%増の280億ドル(±2%)としているほか、1対10の株式分割の実施を行う予定であることも明らかにした。

  • NVIDIAの2025会計年度第1四半期の決算概要

    NVIDIAの2025会計年度第1四半期の決算概要 (出所:NVIDIA)

NVIDIAの共同創業者兼CEOであるJensen Huang(ジェンスン・ファン)氏は、「次の産業革命が始まっている。企業や国はNVIDIAと提携して、数兆ドル規模の従来のデータセンターを高速コンピューティングに移行し、新しいタイプのデータセンターであるAIファクトリーを構築して、新しい商品である人工知能を生産している。 AIは、ほぼすべての業界に大幅な生産性の向上をもたらし、企業のコスト効率とエネルギー効率の向上を支援しながら、収益機会を拡大する」とAIの将来性を強調している。

また、データセンター事業の急成長について、Hopperプラットフォームに対する生成AI学習と推論からの需要が高いことを指摘。生成AIはクラウドサービスプロバイダーを超えて、消費者向けインターネット企業、エンタープライズ、自動車、ヘルスケアなど幅広い分野に拡大しており、複数の数十億ドル規模の垂直市場を生み出していることを強調している。なお、同氏は「NVIDIAは次の成長の波に備えている。Blackwellプラットフォームはフル稼働しており、数兆パラメータ規模の生成AIの基盤を形成している。生成AI向けネットワーキング・プラットフォームである『Spectrum-X』が、大規模AIをイーサネットのみのデータセンターに導入するための新市場を提供しつつあることに加え、NVIDIA AI Enterprise に含まれる『NVIDIA NIM』は、NVIDIAの広範なエコシステムパートナーネットワークを通じて、クラウドからオンプレミスのデータセンター、RTX AI PCまで、あらゆる場所でCUDA上で実行できる、エンタープライズグレードの最適化された生成AI 提供する新しいソフトウェア製品である」とハードウェアのみならずソフトウェアを含めたソリューションの拡充も図っていることを前面に打ち出しており、今後もAI市場をけん引していく姿勢を見せている。