米デル・テクノロジーズ(以下、デル)は5月20日(現地時間)、ストレージ製品「Dell PowerStore」の機能強化を発表した。従来以上のパフォーマンス、効率、レジリエンス、マルチクラウド環境におけるデータ モビリティを提供するとのことだ。
ストレージのパフォーマンスを強化
この製品は柔軟なQLC(クアッドレベル セル)ストレージとパフォーマンスの強化によって、増え続けるワークロード需要の管理をサポートするという。QLCベース ストレージは、TLC(トリプルレベル セル)との比較において、1テラバイトあたりのコストを抑えながらエンタープライズ クラスのパフォーマンスを提供する。最小11本のQLCドライブから始め、アプライアンスあたり最大5.9ペタバイトの実効容量までスケールアップ可能。
PowerStoreのインテリジェントなロードバランス機能は、TLCとQLCの混合クラスター環境全体にわたり、コストを削減しながらワークロードの配分効率を高めるという。また、新しいDIP(データ イン プレース)の上位モデルアプライアンスへのアップグレードにより、ハードウェア パフォーマンスが最大66%向上するとのことだ。
「Dell APEX」ポートフォリオを拡張
同社は「Dell APEX」ポートフォリオ拡張および新たなAIOps機能の提供と、マルチクラウドとKubernetesストレージ管理機能の強化についても発表した。AIやマルチクラウドといった主要な注力分野に対する顧客ニーズに対応するという。
「Dell APEX AIOps Software-as-a-Service(SaaS)」は、AI主導のフルスタックの可観測性(オブザーバビリティ)とインシデント管理によって、デルのインフラストラクチャの健全性とサービスの可用性を最適化する。AIOpsツールを拡張した今回のソリューションは、以下の3機能によりITの俊敏性を高め、アプリケーションとインフラストラクチャーに対し高いコントロール能力を提供する。
Infrastructure Observability
AIを基盤にした健全性、サイバーセキュリティ、サステナビリティに関するインサイトと提案によって、インフラストラクチャの問題を従来のアプローチと比べ最大10倍迅速に解消。生成AIを基盤にする「Dell APEX AIOps Assistant」は、インフラストラクチャに関する質問へ回答するだけでなく、問題解決のための詳細な提案を提供する。
Application Observability
アプリケーションの可用性とパフォーマンスを保証するフルスタックのアプリケーション トポロジーとアナリティクスによって、アプリケーションの問題に対する平均解決時間(MTTR)を最大70%短縮。
Incident Management
AI主導のインシデント検出と解決によって、デジタル インフラストラクチャの可用性を最大化し、ユーザーが報告するマルチベンダー / マルチクラウド インフラストラクチャの問題を最大93%削減する。
Dell APEX Navigator SaaSを拡張
Dell APEX Navigator SaaSを拡張し、Kubernetesストレージ管理機能を提供するとともに、Dell APEX Storage for Public Cloudのサポートを追加している。
Dell APEX Navigator for Kubernetes
同サービスはすでに一般提供を開始しており、データ レプリケーション、アプリケーション モビリティ、コンテナのオブザーバビリティといった先進のデータ サービスによって、「Dell PowerFlex」および「Dell PowerScale」と「Dell APEX Cloud Platform for Red Hat OpenShift」でも、Kubernetesストレージ管理を簡素化する。
・Dell APEX Navigator for Multicloud Storage
「Dell APEX File Storage for AWS」のサポートが追加され、年内には「Dell APEX File Storage for Microsoft Azure」のサポートも予定されている。「Dell APEX Navigator for Multicloud Storage」は、デルがオンプレミスとパブリック クラウド ストレージで生成したユニバーサル ストレージ層にわたって、ストレージの構成、展開、監視を簡素化するという。