「ビジネススタイルの大きな変革を進めていくことが重要」と話すのは、MS&ADインシュアランスグループホールディングス次期社長の舩曵真一郎氏。
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24年4月26日、MS&ADホールディングスは社長交代を発表。社長には舩曵氏が昇格し、現在務めている三井住友海上火災保険社長も兼務する。社長の原典之氏は代表権のない会長に、会長の柄澤康喜氏は退任する。
このタイミングでの交代について原氏は「4年間の中期経営計画の後半、第2ステージがスタートする節目で世代交代を行う。『リスクソリューションプラットフォーマー』としての成長を加速させる」と説明。
損保業界はこの1年、「ビッグモーター問題」「企業向け保険の価格調整問題」で揺れてきた。舩曵氏は「深くお詫びを申し上げる。問題を真摯に受け止め、グループ社員1人ひとりがお客様本位の価値観の下で活動できるようリーダーシップをとっていきたい」と話す。
舩曵氏は一連の問題の要因について「政策保有株式や、過剰な本業支援の問題があったというご指摘をいただいている」と話す。そのため、MS&ADホールディングス傘下の三井住友海上とあいおいニッセイ同和損害保険では29年度末までに政策保有株ゼロを目指している。
そして今後は、企業に対してはグローバルでの引き受け能力、個人に対しては適切な価格、事故対応、事故前後のサービスなど、保険の「原点」に立ち返ったサービスで選ばれる企業づくりを進める。この取り組みで「世界標準の評価軸で選ばれる保険会社を目指していく」と舩曵氏。
舩曵氏は持ち株会社と事業会社の社長を兼務し、変革のスピードを上げていくことを目指す。現在、「ワンプラットフォーム戦略」で業務の一体化を進める三井住友海上とあいおいニッセイ同和だが、「将来の統合はこれまでも、これからも選択肢としてある」と舩曵氏。
不祥事案を奇貨として、会社、事業の形を変えることができるか。