清水建設は21日、Webカメラのライブ映像からトンネル坑内の作業状況をAIで自動判定しチャットツールで関係者にリアルタイム通知する「AIサイクル自動判定システム」の開発を発表した。

ネットワークカメラ、高速通信網、解析用PC、クラウドストレージ、チャットツールで構成されるシステムは、トンネル内に設置されたカメラからのライブ映像をPCの画像解析AIでトンネル掘削の先端である切羽付近の状況を解析。チャットツールで関係者にタイムリーに通知し作業記録を自動作成するもので、「中央自動車道新小仏トンネル工事」、「利賀トンネル(1工区)工事」での試験導入で現場職員の坑内待機時間を約40%削減できたという。

  • AIサイクル自動判定システム(同社資料より)

中央自動車道新小仏トンネル工事では切羽の地山の状況や変位量などの施工データを蓄積する山岳トンネル施工データプラットフォームを活用する施工管理も試行しているが、プラットフォームでは、データを収集し整理する定常作業の自動化も行われており、切羽の岩判定業務では帳票作成の自動化が担当職員の業務時間の約8割を削減している。今後は、プラットフォームに日々蓄積されるリアルタイムデータを活用することで危険も伴う山岳トンネル工事でのさらなる安全性の向上につなげる考えだ。

  • データプラットフォームを活用した岩判定資料の作成(同社資料より)