録画データ流通サービスを展開するミックウェアと画像処理とAI技術の研究を行うモルフォは5月20日、AIで要件に合わせて必要なシーンを効率的に抽出するサービスの提供開始を発表した。
大量の動画データから必要シーンを細かくピックアップ
モルフォはAI技術を活用し膨大な動画データから必要なシーンを抽出しデータ容量を軽減するサービス(Morpho Video Summary(仮称))を2023年11月より提供。走行シーン、車両、通行人、信号機、二輪車などの用途に合わせた動画解析エンジンと複数の検知エンジンで動画解析結果を組み合わせる優先順位付けにより、複雑な抽出ルールの設定で動画の要約を行える。
カーナビソフトウェアや自動車制御用車載プラットフォーム、位置情報サービスなどの開発・販売を行っているミックウェアは、録画デバイスより映像データを収集、提供するサービス「Mvcube」を展開。災害監視カメラ、都内走行の1000台以上のタクシーに搭載するドライブレコーダー、鉄道・街頭・施設などの監視カメラなどから取得した録画データなどをクラウドに集約し、対象個所を絞り込んで配信。安全確認や見守り、盗難防止、渋滞確認等様々な用途で利用されている。
今回の連携により、「Mvcube」で収集した膨大なデータを「Morpho Video Summary」で利用用途に合わせて必要なシーンを設定することで自動抽出、必要個所に迅速にアクセスできるようになる。渋滞、事故、工事現場のシーン抽出、桜開花、紅葉、積雪などの季節に合わせたシーンやモビリティ事業向けに追越し、交差点など特定の走行シーンも抽出、自動運転用のAI学習データにも活用できるという。
両社は2021年にミックウェアがH.U.グループホールディングスからモルフォの株式を取得することで、資本業務提携を行っている。提携は、ミックウェアの車載システムの技術とAI技術やデジタル画像処理技術を持つモルフォと戦略的なパートナシップにより新ビジネスの共創を目的に結ばれており、今回のサービスの提供につながっている。