日立製作所(日立)は5月21日、生成AI共通基盤の一部として、業務に必要不可欠なシステムの開発領域に生成AIを適用するための新たな開発フレームワークを整備したことを発表した。

  • 日立の生成AI共通基盤の全体像

    日立の生成AI共通基盤の全体像

生成AIのモデルやサービスが選択できる開発フレームワーク

この開発フレームワークは、日立のミッションクリティカルなシステム開発のノウハウと生成AIを組み合わせた開発環境(開発ツール群)。顧客やプロジェクトのニーズ・要件にあわせた柔軟なカスタイマイズが可能で、具体的には、MicrosoftのAzure OpenAI Service、GitHub Copilotなどの生成AIのサービスに加え、オープンソースLLMも活用でき、プロジェクトの開発基準に沿って最適な生成AIのモデルやサービスを選択して利用可能となっている。

また、オンプレミス環境やハイブリッドクラウド環境にも対応し、顧客の重要なデータはプロジェクトごとに独立した環境に保存できるためセキュアな活用を実現する。さらに、標準のRAGアーキテクチャーを実装し、顧客の業務やプロジェクト固有情報にカスタマイズすることで、独自の知識を用いた回答を生成することが可能。

生成AIで7~9割のソースコードを生成

先行して実施した社内の評価検証では、日立のナレッジである詳細設計情報を入力することで、生成AIによるアプリケーションのソースコードを70~90%の割合で適切に生成でき、品質の高いアウトプットを得られることを確認できたという。

日立は、この開発フレームワークを社内や受託プロジェクトに適用するとともに、システム開発の効率化を図る企業に対しては、生成AI活用のための支援を行う。さらに、生成AIを活用したアプリケーション開発の標準化に向け、ジェーシービー(JCB)の協力のもと検証プロジェクトを開始した。

今後、検証において生成AIが開発効率向上に寄与する結果が得られた場合、JCBに合わせた開発標準の整備や業務への適用を進めるため、協力を強化していく考えだ。