エジプト新王国第19王朝のファラオで、ヒッタイトとの闘いや、アブシンベル神殿を造営したことなどで知られる「ラムセス2世(ラムセス大王)」。数多くの偉大な業績を後世に残したラムセス大王の木棺や石灰岩の巨像など、数々の古代の遺物を間近で見て、しかもVRを活用した体験もできる「ラムセス大王展 ファラオたちの黄金(Ramses & the Gold of the Pharaohs)」が2025年3月~8月にかけて東京で開催することが発表された。
同展示会は、これまでアメリカのヒューストンならびにサンフランシスコ(2022年に開催)、フランスのパリ(2023年に開催)、オーストラリアのシドニー(2024年に開催)で開催され、この後、ドイツのケルンでの開催(2024年)を経て、2025年春に東京にてアジアとして初めて開催される運びとなる。
同展では、ラムセス大王の時代の180点以上の建造物や棺、黄金の宝飾品などに加え、エジプト政府の支援のもと、ラムセス大王が収められたレバノンスギ製の木棺が日本で初めて公開されるほか、ラムセス大王が建造したアブ・シンベル神殿や、ラムセス2世の最初の正妃であるネフェルタリ王妃の墓にスポットを当てた没入型VR体験やプロジェクションマッピングなど、最新技術を活用した従来の展示会とは趣の異なる体験をすることも可能となる予定だという。
エジプト元考古最高評議会事務総長・元考古担当国務大臣で同イベントのグローバル・キュレーターを務めるザヒ・ハワス氏は、「日本ではクレオパトラやツタンカーメン王などもよく知られた存在だが、ラムセス大王こそが王の中の王である。私も考古学者として3つのラムセス大王に関する発掘を行ったが、多くの財宝なども発掘されており、そうした最高の王による66年にわたる治世がどのようなものであったのか、このイベントでは知ることができる」とラムセス大王がいかに古代エジプト史上において重要な人物であるのかを強調。貴重な当時を知ることができるさまざまな資料を多くの人に見てもらいたいとした。
また、会見には来賓として小池百合子 東京都知事も登壇。「2025年は東京都とカイロ県が友好都市関係を樹立して35周年という記念の年であり、そうしたタイミングでこうしたイベントを東京で開催できることを光栄に思う」とコメント。多くの人が同イベントを通じて古代エジプト文明を体験することへの期待を示した。
なお、イベント会場となるのは、東京都江東区にある「CREVIA BASE Tokyo」が予定されており、現在進められている改修作業を終えた後のこけら落としとして今回のイベントが開催されることとなるという(CREVIA BASE Tokyoは2023年12月31日まで運営されていた「IHIステージアラウンド東京」を伊藤忠都市開発が建物のネーミングライツを取得したもので、2025年春の開業を目指して改修が進められている)。運営は伊藤忠都市開発とサンケイビルがNEON Groupと共同で、NEONの保有するコンテンツや展覧会/展示会ノウハウを日本で展開するための日本法人「NEON JAPAN」を設立する形で行われ、ラムセス大王展を日本国内における体験型エンターテインメント事業の第1弾として開催するとしている。