独SAPとNECは5月17日、NECが「RISE with SAP」を採用し、アマゾン ウェブ サービス(AWS)上で稼働するSAPのクラウドERP「SAP S/4HANA Cloud」へ移行することを発表した。

クラウドへ移行する背景

NECは、コストの最適化とデータシステムの合理化による事業部門間の統合強化を目指し、社内DX(デジタルトランスフォーメーション)を加速している。

その一環として、オンプレミスのSAP S/4HANAからSAP S/4HANA Cloudに移行し、ERPシステムの標準機能を最大限に活用してカスタマイズを最小限に抑えるクリーンコアアプローチを採用することで、将来のシステム更新および運用コストの削減を目指す。

クラウド移行の作業工程

NECは現在、1,200以上のアドオンと200以上の外部インタフェースを含む大規模なERP環境を運用している。

今回、NECが開発した生成AI「cotomi」とSAPの自然言語処理用コパイロット「Joule」を活用することで、アドオン分析、レポート解釈、仕様書からのコード生成、テストの自動化など、重要なプロセスが自動化される。

また、Jouleはユーザーの役割を理解し、SAPアプリケーション全体での作業を効率化するための共同作業のコパイロットとして機能する。NECはSAPのAIツールを活用し、移行を効率化する企業として、業界の先例となる。