島津製作所は5月16日、AIを用いて開発したアルゴリズムを搭載する液体クロマトグラフ(LC)向けソフトウェア「Peakintelligence for LC」を発売することを発表した。医薬品・食品・化学分野の研究開発および品質管理用途で同社LCを使用するユーザーに向けて販売する。価格は税別66万円~。

  • 「Peakintelligence for LC」画面イメージ

    「Peakintelligence for LC」画面イメージ

Peakintelligence for LCの概要

Peakintelligence for LCは、味の素の研究者が波形処理した分析データを活用して開発したLC向けソフトウェア。「ヘルスケア」「フード&ウェルネス」「グリーン」における豊富な分析データをアルゴリズムに学習させたことで、多様な分野の分析データを自動解析する。

ユーザーによるパラメータの検討・設定は不要で、経験が少ないユーザーも質の高い解析結果を得ることが可能。人為的なミスや改ざんのリスクを低減し、属人性を排除した効率的なワークフローを実現するとしている。

熟練者による波形処理と約90%一致する解析を自動で実行して手作業による修正を減らすことで、解析時間を従来の約25%に短縮し、ユーザーはより創造的な業務に専念でき、研究現場の働き方改革を実現するという。

なお、同ソフトウェアは、味の素のLC分析データを学習させたアルゴリズムを搭載している。島津製作所は良質な分析データを用いたアルゴリズムの開発・改良を目指しており、味の素の「属人性を排除した解析フローを確立したい」という要望を受けて今回の協業に至ったということだ。