Synspectiveは、オリエンタルコンサルタンツグローバル(OC Global)、地圏環境テクノロジーとの間で、SAR(合成開口レーダー)衛星データと地下水シミュレーション技術を活用し、海外の都市部における沈下のモニタリング・コンサルティングサービスに関する戦略的連携に関する覚書を4月12日に締結したことを発表した。

  • 戦略的覚書調印の様子

    戦略的覚書調印の様子。(左)Synspective 新井元行代表取締役CEO (中央)地圏環境テクノロジー 田原康博代表取締役社長 (右)OC Global 米澤栄二代表取締役社長(出所:Synspective)

Synspectiveは、衛星データ解析によるソリューションの提供、および小型SAR衛星の開発・運用を行う宇宙スタートアップ。同社が手掛けるSAR衛星は、衛星から地表に向けて照射した電波の反射を捉えることで地表の形状などを取得するため、天候や明るさによらず地球観測が可能である点を特徴とする。

また今回同社が連携を開始する2社のうち、OC Globalは、150以上の国と地域で、道路や鉄道などのインフラをはじめ、スマートシティや平和構築など、ハードからソフトまでさまざまな分野のコンサルティングサービスを提供する企業だ。

一方の地圏環境テクノロジーは、集積された地圏情報と最先端の水循環シミュレーション技術を組み合わせることで、陸域の自然環境における水循環現象を描き出し、将来的な安全・安心に対する定量的・客観的な第三者評価を行っているとのこと。さまざまな水問題で要請される水文・水理モデリングにより開発された統合型水循環シミュレーションシステム「GETFLOWS」を活用し、さまざまなサービスを提供しているとする。

今回3社が締結した覚書では、SynspectiveのSAR衛星によるデータ収集・解析技術と、地圏環境テクノロジーが有する水循環シミュレーション技術を活用することで、沈下のモニタリングシステムを構築するという。さらにその後は、OC Globalの実績をもとにして、東南アジア地域を中心とした海外でのコンサルティングサービスの提供や事業化を実施することを目的として、戦略的に連携していくとしている。