Googleは5月13日(現地時間)、Bluetoothを利用した追跡デバイスに関する業界標準規格「Detecting Unwanted Location Trackers(不要な位置情報トラッカーの検出)」をAppleと共同開発し、AndroidおよびiOSデバイスに導入することを発表した。これは、AirTagをはじめとするBluetoothトラッカーがストーカー行為などに悪用されるのを防ぐためのもので、ユーザーの周囲で不審なトラッカーが発見された場合に、スマートフォンを通じてそれを警告することが可能になる。

  • GoogleとAppleが共同開発

    GoogleとAppleが共同開発

Android 6.0およびiOS 17.5で利用可能に

Appleが2021年にAirTagをリリースした後、これをストーカー行為に悪用する事件が多数報告された。ストーカーは、標的の車やバッグに密かにAirTagを放り込むだけで、簡単にその居場所を追跡することができる。GoogleとAppleは、このようなトラッカーの悪用を検出し、ユーザーを保護するための業界標準の規格を共同で開発していた。それが「不要な位置情報トラッカーの検出」機能である。

ユーザーが自分のスマートフォンでこの機能を有効にすると、知らないBluetoothトラッカーが自分と一緒に移動している場合に、それを検出して警告を受け取れるようになる。スマートフォンがそのBluetoothトラッカーとペアリングされている必要はない。

警告を受け取ったユーザーは、自分のスマートフォンを使ってそのトラッカーに音を出させたり、識別番号を確認したり、追跡機能を無効にしたりといったアクションが行える。Androidでは「Find My Device」アプリが、iOSでは「探す」アプリがこの機能を提供する。

GoogleはAndroid 6.0 以降のデバイスでこの「不要な位置情報トラッカーの検出」機能を導入すると発表している。また、AppleはiOS 17.5でこの機能を実装するという。

GoogleとAppleでは、引き続き「Detecting Unwanted Location Trackers」ワーキンググループを通じてIETF(The Internet Engineering Task Force)と協力し、この規格の標準化に努めていく方針を表明した。