ソフトバンクグループ(SBG)が5月13日に発表した2024年3月期の連結決算(国際会計基準)は、最終損益が2276億円の赤字だった。3期連続の赤字だが、2年前に過去最大となる1兆7080億円の赤字となって以降、赤字幅は縮小してきている。売上高は前年比2.8%増の6兆7565億円だった。
世界のテック企業や人工知能(AI)関連の企業に投資するソフトバンク・ビジョン・ファンド(SVF)による投資事業の業績が回復している。同事業の投資損益は7243億円の黒字と前の期の5兆2794億円の赤字から大幅に改善し、3期ぶりに黒字に転じた。世界的な株高やドル高円安の影響もポジティブだった。
同日の決算会見で最高財務責任者(CFO)の後藤芳光氏は「順調に成長した1年だった。今後も安全性と成長性の両面を実現していく。大胆な成長を続けたい」と語った。また、「我々にとってのリスクは変わらないこと。変わっていくことが最大のリスクマネジメントだ。(英半導体設計大手の)アームを筆頭にAIシフトを進めていく」と、AIを主軸に事業を展開していく姿勢をみせた。