エクサウィザーズは5月13日、業務データに関する回答品質を自社内の運用で継続的に改善することを支援するアプリケーション「RAGOps」の提供を開始したことを発表した。このアプリケーションはAIソフトウェア開発環境「exaBase Studio」上で提供するため、利用可能なAIモデルや社内の多種多様なデータに合わせた処理を自社向けに短期間で利用開始できるという。
exaBase Studioの特徴
exaBase Studioは社内外のAIモデルやサービス、データなどを組み合わせて、AIソフトウェアを構築できる開発環境。キャンバスと呼ばれる開発用のインタフェースを活用して処理を可視化し、エンジニア以外にも経営者や業務をよく知る社内外の人材を巻き込みながら、オープンな設計や更新が可能。
RAGOpsの概要
RAG(Retrieval Augmented Generation)は生成AIと必要なデータを連携する技術で、社内にある独自データなどを生成AIで加工および分析できることから、需要が高まっている。一方で、「期待した結果が得られない」「閲覧権限のないデータにはアクセスさせたくない」「ハルシネーションで誤った回答が広がるのが心配」といった課題から、活用を開始できない企業も多いという。
これに対し同社は、ユーザー自身がAIソフトウェアを内製開発できるexaBase Studioにおいて、RAGを自社で改善しながら運用できるRAGOpsアプリケーションを開発し、exaBase Studioのテンプレートとして提供を開始する。今後同サービス上でテンプレートに追加される部品を組み合わせることで、継続的な機能拡張も可能だという。
RAGOpsの機能
RAGOpsでは、ユーザーが回答に満足したかどうかといった情報をフィードバックとしてキャッシュデータベースに蓄積する。評価が高い回答の質問と類似の問い合わせに対しては、LLM(Large Language Models:大規模言語モデル)を使用せず直接キャッシュを返すことで、回答品質の向上とコスト効率化を実現する。
一方、回答に対する評価が低い場合にはオペレーターを介在させて回答データの入力を促す。こうした「Human-in-the-Loop」設計により、ユーザーのニーズに応じて不足している情報を拡充しながら運用を改善できる。
また、ユーザー権限に応じて、ユーザーが質問をした際にRAGが参照する関連データを管理する機能を備える。これにより、ユーザーが所属する部署や職階、質問対象などに応じて適切なデータのみを利用して回答を生成する。